片頭痛の治療法

予防療法 ~片頭痛発作の発症を抑制する治療~

予防療法はどんな治療?効果とメリット


予防療法は片頭痛発作の回数を少なくしたり、急性期治療薬の効き目を良くしたりするための治療です。片頭痛発作そのものや、発作が起こるのではという不安から生じる日常生活の支障を軽減することが期待されます。予防療法には、生活習慣改善などのセルフケアや、予防治療薬(発症抑制薬)を使用する薬物療法があります。

セルフケアによる予防

生活習慣改善などのセルフケアで、頭痛発作を起きにくくすることができます。食事の内容や睡眠のとり方、入浴の方法などを工夫してみませんか。

  • 食事:朝食は忙しくてもとる方がよいでしょう。片頭痛を誘発する食品をなるべく避け、アルコール類の摂取は注意が必要です。
  • 睡眠:良質な睡眠を心がけましょう。寝不足も、寝すぎも、片頭痛の原因になることが考えられます。
  • 入浴:片頭痛の予兆があるときなどは、シャワーだけにしておくようにしましょう。
  • スケジュール管理:心身に余裕ができるようスケジュールを調整してみましょう。
  • お薬:薬の中には、片頭痛を誘発させるものもあります。片頭痛のお薬と併用する場合は、医師に相談しましょう。
  • 外出:人混みや換気の悪い場所を避けましょう。サングラスを使って直射日光を遮ったり、空腹を避けるため飴などの糖分をとってから出かけるといいでしょう。
  • ストレス:生活の中で、できるだけストレスをため込まないようにしましょう。
  • 運動:首から肩にかけてのストレッチは片頭痛の予防に効果的です。生活の中に、適度な運動を取り入れましょう。

薬物療法による予防

薬物療法では、片頭痛発作を抑制するために、予防治療薬(発症抑制薬)を片頭痛がない日にも定期的に使用します。現在さまざまな選択肢があり、頭痛の程度や頻度、患者さんの生活環境や希望などに応じて、医師により処方されます。
予防治療薬には抗てんかん薬や降圧薬、片頭痛治療薬などの種類があります。

  • 片頭痛の回数が少なくなったり、痛みが軽減したり、急性期治療薬の反応が改善したりするなどの効果が期待できます。
  • 飲み薬と注射薬があります。
  • 発作が起きたときには急性期治療薬も使います。

予防療法はどんな人に必要?


急性期治療薬を使用していても、下記のいずれかに当てはまる患者さんは予防治療薬(発症抑制薬)を定期的に使用することがすすめられます。

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治療について医師へ相談したいときは、痛みを伝えるだけでなく、日常生活の支障や予定を話してみましょう。自分に合った治療法が見つかり、これまでの日常が変わるかもしれません。
お薬について不明点があるときは、医師または薬剤師に相談しましょう。

監修:獨協医科大学 副学長 平田幸一先生

協力:JPAC(頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会)